2017年12月4日月曜日

自分のキャリアシフトに適したポジションの見分け方

面談についての失敗

新しいキャリアへシフトする場合には
必ず通らなければならない道ですが、
私もいろいろな職種にアプライして、
不採用をいただいてきました。
そのなかでも非常に興味深い体験についてシェアします。

フリースクールの高校教師の職にアプライしたときの経験です。

社会経験豊富な教師陣が自由なカリキュラムを組んでいる学校法人で、
教師免許や経験を問わないということだったので応募しました。
こちらの面談スタイルは、集団面接のスタイルでした。

集合説明会のあと、何人かで面接を受けるという流れでした。
自分でもお恥ずかしい限りですが、
今までの人生の中で一番緊張しました(苦笑)。
背筋を伸ばしていると、背中の筋肉が緊張に耐えられなくて、
ガクガク・ヒクヒクするくらいにです。

志望動機と教師として何ができるかを
簡単に話してくださいという質問に、
私以外の候補者から順番に答えていくのですが、
皆さん私より若い方々なのに、
スラスラとプロのスピーチのように答えているので、
怖気づいてしまいました。

あまり気負わずにナチュラルな自分を表現すれば
良いくらいにしか思ってなかったのです。
面談で何を聞かれるかを考えもせずに本番を迎え、
事前対策済みの競合候補者にノックアウトされてしまいました。
私の番が回ってきた時には、話す声は上ずっているは、
背中は震えてガクガクしているはで、
文字通り「変なオジサンがカクカクしている」状態でした。

この話を帰って妻にしたら、大笑いされました。
教訓としては、この会社でどのような働き方をしたいか
イメージのないまま面談に行ってはいけないということです。
なんとなく自分のキャリアシフトの物語に関連があるかな
くらいの気持ちで応募したのが悪かったのだと思います。

これこそ「天職」だとおもって臨んでいる候補者とは、
やはりこんなに差がでるのだなと気づかされた一日でした。
それでも、集団説明会や集団面接は、一度受けてみるといいとおもいます。

というのも、他の転職希望者がどのようなストーリーを語っているかを
聴くことができるからです。
特に今回の高校教師の場合は、塾講師だったり、企業の教育担当者だったり
何かしら「教育」に携わっている方々の話が聴けたので、
自分の物語と比較ができて勉強になりました。


キャリアシフトに適したポジションとそうではないポジション

こういった集団面接が行われるような説明会に行くと、
40代というのはやはりあまりいないのが事実です。
よく考えてみると、20代後半、30代は、
自分が何になりたいかで動いていたようにおもうのです。
若者を一括りで語るのも、それ以外の方も必ずいるので
大雑把な言い方になりますが、パターンはあります。

社会での経験学習論で広く活躍されている松尾教授によると、
仕事におけるプロフェッショナルの条件として、
「自分への思い」と他者へ貢献することを使命と感じる
「他者への思い」の両方を兼ね備えていることだと定義づけたうえで、
次のように語っています。

若いうちは「認められたい、力をつけたい」という自分への思いが強いのに対し、他者への思いは弱いケースが多くみられます。しかし、経験を積むに従い、優れた人ほど、顧客や社会のために働きたいという「他者への思い」が強くなり、「自分への思い」と融合していく傾向にあります。

松尾教授のいうキャリアとしての「精神的成長」とは、
仕事に対する考え方、在り方が自己中心的なものから、
「他者や社会とのつながりを意識したもの」へ変化していくとのことですが、
私の感覚では、肩書きとして何になるかというキャリアより、
社会のなかでどう貢献したいか、次の世代に何を伝えたいかのほうが
キャリアとして重視したい部分でしたので、
「高校教師」という職業はリーダーシップや能力開発を広める
コーチングを行うための手段であって、天職という感覚はありませんでした。

色々な産業、職種にアプライしていく中で、
振り返ってみてあらためて思うのは、
社会、あるいは現在の人びとが抱える課題に対して取り組みたい、
解決したいと思う場合には、
もうすでに仕事の範囲や要件ががっちり決まっているポジションには
応募しない方が良いのかもしれません。

これは後になって気づいたのですが、採用側が求める人材には
大きくわけて2種類あることです(黒田, 2017)。

ひとつは、決まった業務に対して年齢、職歴、資格保持、転職回数などの基準が
社内で既に設けられているなかでの人材。

もう一つは、その組織がかかえる課題を解決するために獲得したい人材。

世に出ている募集は、圧倒的に前者ですが、
私たちキャリアシフトを考える40代、
さらにMBAホルダーが活かされるポジションは、
どちらかというと後者だということです。

まとめて分類すると次のようになります。

①業務固定型ポジション
・20代、30代前半、「自分への思い」中心の方向け。
・採用側:増員or欠員のための募集。
・多くのポジションがこちら。

②課題解決型ポジション
・40代前後(or40代以上)他社貢献へシフトしたい方向け。
・採用側:新事業や変革など現状の課題を解決するための人材発掘。
・出現率は低いが、年齢や経験にとらわれない柔軟な採用志向を持つ企業の場合が多い。

キャリアシフト活動中は、①、②を区別せずに応募していましたが、
断然②を中心に攻めたほうが、自分の古いペルソナと新しいペルソナが
和解できるベストなスペースが見つかるのではないでしょうか。





参考文献

松尾睦 (2011), 職場が生きる人が育つ 「経験学習」 入門, ダイヤモンド社.

黒田真行 (2017), “次世代リーダーの転職学: 40歳を過ぎても「企業が欲しがる人材」3つの共通点,” NIKKEI STYLE, 7th April.