2015年11月10日火曜日

ニューロサイエンスで仕事の能率を上げる方法!!

間違いだらけのタイム・マネジメント

日々の仕事の中で、今日こそはこの重要なタスクを終わらせなければと
手をつけ始めたのは良いが、なかなか集中できななくて、
エンジンがかからないことはないだろうか?

こんなとき良くやるのは、to do listをつくって
優先順位を決めて、順位の高いものから始める方法などがあると思うが、
次から次へと飛び込んでくるメールが気になって
緊急なメールや部下からの相談、報告などに対応していたら、
いつの間にか最優先の仕事がまだ手つかずのまま。

それでも次から次とタスクの依頼が飛び込んできて
to do listは一向に減るどころか、増えていく一方。

それなら・・・と「隙間」時間を見つけて、
さらに緻密なタイム・マネージメントをしましょうと、
「時間」をうまくやりくりする方法は、ビジネス書の棚に多く並んでいるが、
果たしてほんとに役にたっているのだろうか?

ニューロサイエンスという新しいアプローチ

どんなに上手にそれぞれのタスクを時間で割り振っても、
人はマシンのように常に効率良く働けるわけではない。

一番効率が悪い時間に、一番生産性を要求されるようなタスクを割り振っても
さらに時間がかかってしまい、逆効果になってしまう。

仕事では、常に複雑な意思決定を行っている。
毎日同じようなルーチンであれば、
そんなに意識を集中しなくてもできる仕事もあるだろうが、
特に目まぐるしく変化するビジネス環境の中で状況を読み取って、分析したり、
これから先の計画や、商品・サービスの開発などクリエイティブな仕事は非常に複雑で
骨の折れる仕事ではないだろうか。

これらの意思決定に欠かせないのが、皆さんの「脳みそ」だ。

重量は体重のほぼ2%なのに、エネルギー消費は体全体の20%を消費している。
非常に燃費の悪い器官なので、歯を磨いたり、服を着替えたりなどの単純作業は、
「オートパイロット機能」に切り替わり、エネルギー消費を控えるようになっている。

ニューロサイエンティストによると、特に複雑な意思決定にはエネルギー消費の高い
大脳が活発に関わるので、使った後にはメンタル疲労が起きるそうだ。

これらの脳を働かせる燃料・メンタルエネルギーの量は限られている。

特にプロフェッショナルやエクザキュティブの行うような複雑な意思決定は、
このメンタルエネルギーを多量に消費し、
少なくなれば、メンタル疲労を起こし効率が下がる。

効率の下がった状態でもタイム・マネジメントの場合、
隙間時間にメールの処理などの
余計メンタルエネルギーが必要になる仕事を組み入れたりして、
残されたエネルギー量に見合ったタスクの振り分けができていないので、
最終的には不効率な仕事配分になっている。

そこで、ニューロサイエンスが進めるのは、タイム・マネジメントならぬ、
Cognitive Management=知的マネジメントだ。


Cognitive Management(知的マネジメント)とは?

知的マネジメントでは、
一日の中で自分のバイオリズムを認識し、
限られたメンタルエネルギーの使い道を意識的に分配することで、
効率的かつ生産性の高い仕事をできるようにする。

一日のすべての時間をフルに稼働するのは無理なので、
一日の仕事の中で最高の2時間を意識して創りだし、
この二時間に一番メンタルエネルギーが必要なタスクを持ってこようというのが、戦略だ。
今回は、3つのストラテジーをご紹介しよう。

1)メンタルエネルギーの消費レベルを知ろう!

Level 1:簡単なタスク

* メールチェック
* 一人と面談のアポを取る


Level 2:ちょっと複雑なタスク

* メールに返答する
* 数人とのミーティングを手配する
* 新しい思考をあまり必要としないプロジェクト


Level 3: 難しいタスク

* 新しいデータの分析
* 人事評価
* クリエイティブなタスク
* 新しい思考を必要とするプロジェクト


2)メンタルエネルギーの配分と消費タイミングを考える

例えば、重要なプレゼンや難しいタスクを行う前に、ちょっと時間があるからと
メールに返答しているとそれだけで、メンタル疲労が増すことを理解してもらいたい。

また、比較的エネルギーのある午前中にLevel 3の仕事をまわす。

特に難しい分析的な仕事は、午前中におこなう。
分析的な仕事は、まわりが片付いているほうが効率が良くなるので、
始める前にまわりを整理整頓する。

Level 3に取り掛かる前に、メールをみたり、返答したり、
ネットでニュースを読んだりするのもエネルギーを無駄遣いするのでやらないこと。

クリエイティブな仕事は、少し思考がドリフトするような状態のほうが
良いアイデアが浮かぶので、昼過ぎの眠たい時間、午後一番のほうが良い。



3)マルチ・タスクはやらない

Level 3の時には、他からの邪魔が入らないような環境をつくる。

途中で部下や同僚などに話しかけられたり、
音楽を聴くのも効率が下がるというリサーチがある。

メールの着信音やポップアップも効率を下げる原因なので、本当に重要なタスクの場合には・・・

メールを閉じる、
静かな場所に行く(自分のデスクで無理なら、会議室など)、
モノタスク(単一作業)にする。

よくマルチタスクが得意だといって自慢しながらやっている人がいるが、
あれは、別々のタスクをそれぞれ中断して交互に行っているだけだ。

ひとつのタスクを集中して行い、終わったら別のタスクをやった方が断然効率が良い。

試しに、右手で右から水平線を書きながら、左手で1,2,3と番号を書いてみたらどうか?
あるリサーチ結果で、両方別々にやった方が早く終わることが証明されている。

マルチタスキングは、仕事の能率に一番重要な「集中すること」を妨げる作用があるので、
絶対に行わないこと。

脳科学的にもマルチタスクでは、
新しいことを学んでも長期的記憶として定着しないことが証明されている。







※次回は、まわりの環境や食べ物、身体の使い方と仕事の能率を考えてみたい。


参考文献

Davis, J. (2015), Two Awesome Hours: Science-based Strategies to Harness Your Best Time and Get Your Most Important Work Done, Harper Collins.