2015年1月24日土曜日

EQ・こころの知能指数をはかるテスト!


たとえIQが高いとしても

1990年の10月23日
コーラル・スプリングス公立高校の物理の先生が
「B」の成績をつけたことに逆上した生徒に
学校の実験室にて肉切り包丁で刺されるという事件がおきる。
( New York Times 23 October 1990)

刺した生徒の名はジェイソン・ハフィズラ。
成績がオールAでなくなることで、ハーバード大メディカルスクールへの道が
断たれたと絶望し、このような行動に至ったらしい。

「B」を付けただけで刺されたポログルト先生は
幸い急所を外れて命拾いした。

その後、ジェイソンは逮捕され
最大禁固17年の刑で起訴されたが、
「自殺しようとしてもみ合いになった」として
当時、当人は精神に異常をきたしていて
責任を問えない状態だったということで不起訴。

その後、ジェイソンは精神病院で治療を受けた後、
2年後、別の私立高校に再入学し、念願のオールAをとり最優秀生徒として卒業。

その間一度もジェイソンからは、ポログルト先生に対して
刺したことを詫びる言葉はなかったそうだ。

狂乱状態にあったとはいえ、人を傷つけてしまったことに対して
刺された方の身になってみれば、「申し訳ない」の
一言ぐらい出てきそうなものだが、
この生徒は、Empathy=共感という感情を育まれてこなかったようだ。

IQの高さを証明するのに一生懸命で、
社会で円滑な人間関係を築くのに最も大切な感情、
相手の気持ちを想像する能力を忘れてきてしまったらしい。

Empathy(共感)の発達過程

相手の気持ちを感じる能力の発達は
生後8か月ぐらいから始まるそうだ。

目を合わせた時に自分の感情を相手が
受けとめているかどうかがわかってくると
自分の感情で相手に影響を与えることができることを学ぶ。

この時期に、親が子どもの感情の移り変わりに無関心だと
感情を表現しても何も起きないとあきらめてしまい、
徐々に感情表現をしなくなる。Empathyも育まれない。

その後親以外のまわりの環境によって
EmpathyなどのEI(Emotional Intelligence)は
いかようにも影響を受けて成長とともに変わっていくのだが、
ゴールマンによれば、感情を意識した教育は
発達過程の早い時期(特に0~10代)に行う方が効果はあるということだ。


Emotional Intelligence 2.0 

では、40のオジサンでも改善できるか?
「学び」に年齢制限はないので、Yes, We Can。


前回、ゴールマンによるEIは5つの性質に分けることができ、
これらの能力がビジネスでのリダーシップやパフォーマンスに
大きく影響しているとお話しした。

EQは仕事のパフォーマンスに約58%関係があり、
トップのパーフォーマ―の9割は、高いEQをもっているという統計がある。


今回はビジネスの世界で、または、日常生活のなかでの「学び」という観点から
4つのスキルとして提案しているブラッドベリーのモデルを紹介したい。
言葉が簡潔で覚えやすいので、英語で記したいとおもう。



まず、対自己としてのスキル

①Self-Awareness:

自分の感情の状態をどれだけ冷静に、正確に把握できるか。
         (Emotional Literacyともいう)

②Self-Management:

認識した感情を有効に活用することができるか。

そして、対他者のスキルとして

③Social Awareness:

他者の感情をどれだけ読み取れるか。

④Relationship Management:

自分の感情や他者の感情を認識しながら、うまくコミュニケーションができるか。


これら四つのスキルに分かれているが、
実際は状況によって相補完的に
関連しあって発揮される。

それぞれを意識することによって、40の私であっても訓練できるようになっている。

車の運転と同じで、最初はそれぞれの動作を確認しながらでないとできないが、
慣れてくれば、無意識の状態でも流れ作業のようにできるようになる。


EQテストを受けてみた

EIを鍛えるには、まず最初に自分の客観的な状況を知らなければならない。

EQを測るテストは、いろいろあるのだが、ブラッドベリーが
これら四つのスキルについて簡単なテストとe-learningのコンテンツを
提供しているので、こちらを受けてみることにした。

Emotional Intelligence Appraisal® 

こちらのEmotional Intelligence Appraisal®にて
20くらいの質問に答えるとスコアが出てくる。
お値段は、49ドル。

ウェブ上で自分の弱いスキルはどこか、
どのスキルからトレーニングを始めたらよいかなど
アドバイスが出てくるので、英語を勉強している方、
ビジネスで活用したい方は受けてみるとよい。

因みにわたしの点数は・・・

①Self-Awareness:自分の感情の状態をどれだけ冷静に、正確に把握できるか。
         (Emotional Literacyともいう)

69点/100点
→思ったより低かった。ときどきテンパーをなくすことがあるので、そこが改善点。こういうかたちで自分の弱みを客観視できると、人に言われるより受け入れやすい。

②Self-Management:認識した感情を有効に活用することができるか。

71点/100点
→①で認識できないと、こちらで活用できない。感情にハイジャックされないような戦略が必要か。

③Social Awareness:他者の感情をどれだけ読み取れるか。

83点/100点
→こちらは私の得意分野だと思う。小さいころから転勤が多かったせいか、まわりの雰囲気を読み取ることが自然と身についたのだろう。

④Relationship Management:自分の感情や他者の感情を認識しながら、コミュニケーション   ができるか。

65点/100点
→新しい関係をつくるのは得意だが、それを維持することが得意ではないので、このような低い点数になってしまったのだと思う。たまに「冷たい」といわれてしまうことも。努力しているつもりだったが、まだ自分の気づいていない部分がありそうなので、意識していきたい。

80点以上が高いレベルで、これらの点数とともに、どこをまず意識して取り組んだらよいかの
アドバイスがレポートとして出てくる。

私の場合は、④のRelationship Managementを強化しましょう、ということだった。

自分のアカウント内にそれぞれの項目ごとに映画のシーンから切り取った場面が閲覧できるようになっていて、時間がある時にそれを観ながらe-learningできるようになっている。

トレーニング後に再テストできるようになっているので
半年後に再テストする予定である。



次回は、それぞれ四つの分野で、どんなトレーニングをするのか
少しご紹介したいと思う。


参照文献

Bradberry, T & Greaves, J (2009), Emotional Intelligence 2.0, TalentSmart. 

Goleman, D (1996), Emotional intelligence: Why it can matter more than IQ, Bloomsbury London.